1日1冊レビューし太郎

おススメの本ご紹介します。本の紹介を通して、自分の人生観や経験などをお話しします。日本の大学を卒業後、ALLEX Programに参加するために渡米。Missouri州のWashington大学、NY州のUnion大学、そしてHarvard大学で日本語教員として働きました。このブログでは、おススメの本の紹介を通して、自分の人生観や経験を語りたいです。あなたの悩みを解決させてください!いつでも相談に乗ります(^O^)

NHK Eテレ! 世界の哲学者に人生相談 スペシャルエディション

 みなさんこの番組をご存知でしょうか。

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NHK Eテレで放送している「世界の哲学者に人生相談」という番組です。私はここ3年アメリに住んでいたので、この番組を見たことがないのですが、何かのメディアを通してこの本と出会いました。1年間で放送された番組の内容を1冊にまとめたのが、こちらの本になります。

 目次

①悪い劣等感は他者との比較から生まれる。よい劣等感は理想の自分から生まれる。(アルフレッド・アドラー

アドラーは、日本でも話題になったアドラー心理学を説き、20世紀初頭に活躍したオーストリアの哲学者です。精神科医として働いていた時の経験がもとで、劣等感に関心を持ったそうです。

 

その上で、ありのままの自分を肯定し、受け入れることを説きました。みなさんは劣等感を感じることがよくありますか?僕は劣等感の塊でした。周りの人と自分を比べて、「あの人より自分は・・・」と勝手に落ち込んでしまう。そんな独り言を永遠と頭の中で言ってしまっているんですね。

 

つまり、”歩く劣等感”だったんですけど、やっぱりそんな考えだと何事も上手くいかないんです。だから、劣等感とは何なのか、劣等感を本当の意味で理解する必要があると考えるようになったんです。

 

この番組に出演していた河北麻友子さんは、劣等感に対してこう言っていました。

私は劣等感は持っていない。向上心はありますけど。劣等感はどうしてもネガティブなイメージです。「周りに比べて」なので。だけど周りと比べなければ、劣ってもいないし優れてもいないですから。 

彼女は16歳まで家族とニューヨークで暮らしていたそうですが、この考えができるのは家庭環境や育った環境も少なからず関係していると思います。

 

劣等感とどう向き合うか、僕が納得した考えはアドラーの考え方です。劣等感には2種類あるそうです。他人と比較することで生まれるものが「悪い劣等感」、理想の自分から生まれるものは「いい劣等感」であることを説いています。

 

他人と自分を比較して、自己嫌悪に陥ったり、自信を無くしたりしてしまうのではなく、理想の自分と向き合うことで、ある意味「向上心」として次のステップに進めると思うんです。それでも落ち込んでしまった時は、1年前の自分よりは成長したと自分をを褒めてあげましょう。理想の自分を求めて落ち込んでしまうのは、前を向いている証拠です。 

②記憶は今ここで作られる。(アンリ・ベルクソン

いったい何を言っているのか、最初に読んだ時は正直よくわかりませんでした。ちなみにベルクソンはフランスの哲学者で、人の意識や時間、自由、そして心身の関係を説いたことから生命の哲学者の元祖とも言われます。

 

さて、記憶の話に戻りますが、記憶はすでに起こったことのはずですよね。みなさんも振り返っていただければ納得されるかもしれませんが、例えば「梅干し」を思い浮かべるとみなさんの口の中はどうなるでしょうか?真面目に思い浮かべたら、酸っぱくなりますよね。笑

 

ですが、梅干しを見たことも聞いたこともない海外の人が梅干しをみたらどうでしょうか。何も感じませんよね。つまり、私たちの知覚自体が過去の記憶に左右されているんですね。知覚自体に記憶が入っている。

 

そこで感じたこと(酸っぱいと感じる)は、実は過去に経験して覚えたことに支配されているということなんです。じゃあ、記憶は過去作られたものじゃん、と思われるかもしれません。

 

では、その「梅干しは酸っぱい」と思いだしたのはいつでしょうか。はい、そうなんです、今なんですね。つまり、記憶というのは、過去のものじゃなくて今のものだということです。今どう思うかで記憶は書き換えられていく。

 

つまり、嫌な記憶があったとします。中学時代に誰かにいじめられて不登校になったとか。嫌な記憶ほど自分自身にものすごくインパクトのあるものだから、なかなか忘れられないものですよね。

 

ただ、「記憶は今ここで作られる」と考えて、前向きに何か行動することで嫌な思い出や過去を変えることができる。今の自分を変えることで嫌な記憶を克服することができる。深いなあ~。

 

③自分を信じるということは、自分の努力を信じることなんだと思います。

どうしても自信が持てない人がいるのではないでしょうか。僕は昔から自分のことを信じることが苦手だったんです。小学4年生から野球を始めましたが、同級生9人の中で一番下手でした。

 

同級生は低学年から少年団に入団しており、経験値が違いましたし、僕自身の運動神経が悪かったことが原因なんですが、苦手なことがあると自己肯定感も低くなり、自分のことを信じることなんてできませんでした。周りと比べたら、確かに自分が一番下手だし、下級生にもなめられることもしばしば。

 

ただ、一生懸命練習をしていたことは事実でした。その努力を自分で認めてあげることが、自信につながるということですね。当たり前のことのように思えますが、何事も結果が出ないと周りからの評価も得られないし、自分で自分を責めることだってあり得ます。何かに対して自信が持てないなら、まずは人一倍努力すること。その上で、その努力を自分で認めてあげることが何よりも重要だと思うんです。

 

今回紹介した本は哲学に興味がある方や日常生活で悩みを抱えている方などにおススメです。愛や自由、労働などに関して理解を深めたい方もぜひ一読下さい!